ビュッフェ・クランポン、ヤマハ公認特約店。上質な楽器を有名奏者の選定品でご提供いたします。 管楽器専門店永江楽器

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トップページ > クランポン選定 松本先生インタビュー

選定品

プロ奏者によるクラリネットの選定品

天然の木材で作られているクラリネット。楽器の製造は職人による手作業の部分も多く、同じメーカーの同じモデルであっても、1本1本鳴りや音程、バランスが異なり「個体差」と呼ばれています。
事前に複数本の中から吹き比べを行い、吹奏感や、響き、音色など、より品質の優れた楽器を手にしていただけるよう、プロ奏者による選定品をご用意しております。


弊社で取り扱っておりますクランポン クラリネットの選定は、ビュッフェ・クランポンの日本法人である株式会社ビュッフェ・クランポン・ジャパンにて行っております。江東区・東陽町に本社を構え、ビュッフェ・クランポンをはじめベッソン、クルトワ、カイルヴェルトなど多くのブランドを有するメーカーです。


今回は、NHK交響楽団 首席クラリネット奏者、松本健司先生に選定をご依頼。お話も伺うことが出来ました。



選定時に重視しているポイントを教えてください


―選定時に重視されているポイントは?

松本先生:ストレスなく息が入っていき、少しの変化にも滑らかに対応してくれる楽器を選びます。明る過ぎる音は嫌いなんですけど、適度に明るい、きらきらしている音が好きです。あとちゃんと、音に、肉が付いている。密度の高い音で、明るい音も出せる楽器というのが 私の中では理想的で。それがひとつの基準になっていますね。

いつも、ある程度ピックアップしてから、最終的に選び直します。
まずは、楽に吹けること。言いたいことが全て言える、ていうのが大事で。そこからですね、好きな音色が出るものを選んでいく。

楽器を選ぶときは、正直に、僕が欲しい、この楽器が吹きたい、と思うものを。これだったら買う、ていう。
少しでも妥協して選んでしまうと、そのことが実際に楽器を使用するお客様に返ってきてしまうので、自分の中で「100%」な楽器を選びます。


―選定時のマウスピースは何を使っていらっしゃいますか?普段のセッティングは?

マウスピースはB40です。下のコルクをディヴィンヌと同じ黒いコルクにしています。リードは、レゼルヴクラシック。 リガチャーは、MOMOのハートを数年前から使っています。
もともとずっとクランポンの、シルバーのリガチャーだったんですけど。いろんなもの使って、やっぱりあれに戻るんですよ。すごく気に入っていて。でもまめに買い替えなくてはならなくて。なかなか時間も取れないので、そうなるとモモさんのほうが。


―新しい楽器を手にされる方へ、一言お願いします。

松本先生:僕の選ぶ楽器って、基本的に抵抗感がある楽器だと思います。抵抗感って、吹き始めの数年しかないんですよ。どんどんなくなっていくんです。ただ吹きやすい、てだけだとスカスカの楽器になってしまうので。
逆に僕は新しい時の抵抗感がすごく好きで。僕の場合、半年から1年もたない感じでなくなってしまうんですけど。CD「アラベスク」の時は、買ってまだ2か月くらいの楽器でした。録音してるうちに、どんどん膨張してきて、接合部が抜けなくなったりして。
ただその時の抵抗感が、ガーシュインの3つのプレリュードの真ん中の曲がA管なんですけど、もうなんかバスクラ吹いてるみたいな感じの音がするんですよね。バスクラのハイトーン吹いてるような感じ。
初期の時しか出せない音っていうのが、あるんですよ。とても魅力的な音が。それも楽しんでもらえたらと思います。

現在使用されている楽器について


松本先生:いま使っているDivineは、僕のやりたいことが全部出来る感じです。
Toscaのグリーンラインを吹いていた時に、もうちょっと適度な抵抗感が欲しいと思って、いろいろリードを変えたりマウスピースを変えたりしてたんですけど、結局それは木の楽器がもっている抵抗感だったということが分かったんです。
木のToscaに変えて、快適に吹いていたんですけど、そこからさらに柔らかい表現だとか、軽やかな表現をするのに、とても努力している自分に気が付いて。


ふとその時に、Divineを選定する機会があって、試してみたら、やろうとしていることが全部できる!と。
自分が求めていることが全部出来る。かといって、Toscaみたいなパワフルさがないわけではない。

吹けば吹くほど、思いますね。いい楽器だなあ、て。今はもう、Divine以上のものは求めていません。
あとは、するとしたら、自分ですね。楽器ではなくて。自分の頭の中に求めている音を表現するのは自分でしかないので。自分を磨いていくしかない。それ以上楽器に頼っちゃいけないと思います。



クランポンの魅力とは


―先生にとって、ビュッフェ・クランポンとは。その魅力について教えていただけますか?

松本先生:クラリネットを持った時から、ずっと身近にあるブランドで、ずっと一緒に育ってきたので、体の一部みたいな感じです。
クランポンだから出せる音、クランポンの音ってあると思います。これは、言葉にはできないんですけど…。言葉にできないことが、魅力なのかもしれませんよね。
高貴さ、というか。頭の中にある理想の音が、実際に出るんです。理想の、求めている美しい音を出すことができるんですよね、クランポンの楽器って。


僕も月に一回は選定をしに来てますけど、常に、品質の向上が感じられる。どんどん良くなろうとしているのが、楽器から感じられます。
止まってないな、この会社は、と。楽器が出来た!それで終わりにしてないんだな、ていうのを。
入ってくる楽器、入ってくる楽器、どんどん吹いてますから、そういうのは分かりますね。それはもう、高級機種であっても、下のモデルでも、関係なく。
どんどん良くなっている感じがします。いろんなことが。



Toscaをグリーンラインから木の楽器に変えた時もそうでしたが、Divineも、発売されてからそろそろ10年が立ち、色んな意見が返ってきて、楽器として進化しているのを感じます。音程であったり、音の抜け方であったり。それで時代とともに変わっていっての、購入に至った経緯があるので。

そしてクランポンの中で設計している技術者は、アーティストとして活躍されている方もいますし、だからこそ楽器が良くなっていくんでしょうね。
あとはもう、最強の、テスター陣がいますからね。ミシェル・アリニヨン、パスカル・モラゲス、ローマン・ギュイヨ…
クランポンの楽器がどんなふうに進化していくのか、これからも楽しみですよ。



―ありがとうございました。

(2019年3月12日 株式会社ビュッフェ・クランポン・ジャパンにて)

選定者 松本健司先生

国立音楽大学を経てパリ音楽院を首席にて卒業。
国内の主要コンクールに上位入賞する他、97年トゥローン国際コンクール第3位入賞。同年はジュネーブ国際音楽コンクールにおいてディプロマを受賞。
2002年よりNHK交響楽団クラリネット奏者。11年より首席奏者を務める。